不妊症について

不妊症の歴史

不妊症という症状自体は、特に現代病というわけではなく、はるか昔から存在していました。 実際、世継ぎが生まれずに養子をもらってくる…という王族貴族のエピソードは、太古の時代から存在していました。 そういったケースがすべて不妊症であるかというと、必ずしもそうとは限らないかもしれませんが、少なからず不妊症で悩む女性はいたと考えられます。 とはいうものの、昔は不妊症という病気自体が認められていませんでした。 そのため、妊娠しない状態が続くと女性に問題があるという見方をされ、家族から離縁されてしまうという事も慣習化していました。 現代と違い、昔は「女性は子を儲ける事が最大の仕事」という認識が根付いていたため、不妊という状態は、いわばアイデンティティの崩壊でもあったのです。 こういった認識と状況は、ある程度文明が近代化した昭和後期になっても残っていたようです。 しかし、徐々にそうした認識は変化し、医学の進歩もあり、徐々に「不妊症という病気が存在する」という方向に時代が動いていきます。 特に、不妊の原因となる様々な状況が近年になって明かされてくると、それはまさしく病気であるという説がスタンダードとなり、不妊症、および不妊治療というものが確立されていきました。

一般不妊治療と高度生殖医療

実際に病院で検査してもらった結果、どこかに問題があると診断されたら、不妊治療を開始する事となります。 不妊治療というと、不妊症の治療という印象が強いですが、実際には不妊症と診断するには満たない状態であっても治療は可能です。 むしろ、不妊症の原因が病気等であるならば一刻も早い治療を行うべきなので、検査を行うタイミングも、なるべく早いほうがいいでしょう。 不妊治療では、まず「一般不妊治療」を行います。 これは、重大な問題がないケースで適用される治療方法です。 主な例には、「人工授精」や「タイミング法」等が挙げられます。 一般不妊治療で思うように効果を得られなかった場合は、「高度生殖医療」という方法を試す事になります。 これは、治療というより、自然な形での受精が困難な状況なために特殊なアプローチで妊娠させるという、ある意味力業ともいえる方法で、主な例には「体外受精」や「顕微鏡授精」が挙げられます。 原則として、不妊症の人にはまず、不妊症であるかどうか、不妊症ならばその原因が何であるのかという事が告げられます。 その後、治療方法に関しての説明が行われますが、具体的な理由がはっきりしている場合は、その原因を取り除くという、わかりやすい治療となります。

不妊治療と漢方薬

不妊という状態は、少なくとも人間として健常な状態ではない事を意味します。 妊娠のしやすさ、しにくさには個人差がありますが、二年という期間妊娠を望んでいるにも拘らず叶わないという事は、それを超えた問題を抱えている事を意味するからです。 とはいえ不妊症は、身体のどこかしらに異常があるケースもあれば、原因不明のケースもあります。 原因不明の場合は、手術や薬の投与で改善できるという保証はありません。 精神面を軸に、少しずつ健常な身体にしていくという先の長い不妊治療を行う事になります。 この際に治療薬として使用される事が多いのが、漢方薬です。 漢方薬は劇的な効果がすぐに現れる薬ではなく、体質をじっくりと改善していくためのものです。 植物など、自然界にある様々な材料をそのまま使用しているので副作用はなく、安全に長期的な使用が可能となっており、病気を根治させたり、体調を安定させたりする場合によく用いられます。 よって、原因がはっきりとしない不妊治療の際に使用する薬としては、適切というわけです。 不妊治療に使用する漢方薬の具体例には、「当帰芍薬散」「加味逍遙散」「温経湯」等があります。 これらは、いずれも女性向けの漢方です。

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